夫に離婚公正証書作成を承諾してもらう方法とは?
夫に離婚公正証書作成を承諾してもらう方法とは?
離婚公正証書を作成するには、夫婦双方の同意が必要です。
しかし、離婚公正証書は「公的で強制力がある」というイメージがあるため、強制されることを恐れて同意をしない夫もいます。
そういう夫の決まり文句は、「養育費はちゃんと払う!だから、そんな公正証書なんて作る必要はない!」というものです。
中には、離婚原因が自分にあるにも関わらず、「そんなに俺を信用できないのか!?」と逆ギレする夫もいます。
夫から離婚公正証書の作成を提案してくれれば良いのですが、なかなかそう都合良くはいきません。
では、夫の気が進まない場合、離婚公正証書の作成をあきらめないといけないのかと言うと、そんなことはありません。
ここでは、夫に離婚公正証書作成を承諾してもらう方法を5つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
方法その@ 「離婚公正証書を作らなければ離婚しない!」と言おう!
これは、夫の方から離婚を切り出してきた場合(夫は離婚したがっていて、あなたは条件次第で離婚を受け入れても良いと思っている場合)に効果的なテクニックです。
夫がいくら離婚したくても、妻であるあなたが了承してくれない限り、離婚をすることは出来ません。
裁判で離婚の判決をもらう方法もありますが、時間とお金がかかる上、必ず離婚を認めてもらえるとは限りません。
夫は、あなたに「離婚をしてくれ」とお願いするしかありません。
お願いする側とされる側のどちらの方が有利な立場にいるでしょうか?
言うまでもなく、お願いされる側のあなたの方が有利な立場に立っていますね。
夫はあなたに比べて不利な立場に立たされているため、離婚の条件についてはあなたの要求をそのまま受け入れるしかありません(ただし、法外な慰謝料を請求するような場合は話が変わって来ます)
そこであなたが、「離婚をするなら、離婚公正証書を作ってください。作らないなら離婚はしません」と夫に告げたらどうでしょう?
どうしても離婚をしたい夫にとって、離婚公正証書の作成を断るという選択肢はありません。
あなたの要求を断れば、あなたに離婚を拒否されてしまうからです。
このように、「離婚公正証書を作らなければ離婚しない」というセリフは、離婚をしたがっている夫に公正証書の作成を承諾させるため、大変有効なものなのです。
方法そのA強制執行の不安をやわらげてあげよう!
離婚公正証書には、通常、「養育費などの支払いが滞ったときは強制執行ができる」という条文が入ります。
気の小さい夫だと、この条文を見ただけで、「支払いが少しでも遅れると、裁判所から強制的に差押をされるのでは・・・」とビビッてしまうことがあります。
そんな夫には、「強制執行は最後の手段で、保険のようなもの」「事前に連絡してくれれば、1度や2度支払いが遅れただけで強制執行はしない」など、不安をやわらげる言い方をしてあげましょう。
そうすれば、夫の不安もかなり解消され、離婚公正証書の作成を承諾してもらいやすくなります。
上手に夫の不安をやわらげてあげて、離婚公正証書の作成を承諾してもらいましょう。
方法そのB 早めに委任状をゲットしよう!
離婚公正証書を作成するには、最終的に夫婦で公証役場に行かないといけません。
公証役場では、公証人の前で公正証書の内容を確認し、夫婦それぞれが署名・押印をします。
この手続きは代理人に任せることも出来るのですが、その際は本人から委任状をもらわないといけません。
夫が離婚公正証書の作成に同意していても、公証役場に行く前に「やっぱり止めた!」と言い出したらどうなるでしょうか?
夫の同意が無い以上、離婚公正証書の作成は出来なくなってしまいます。
離婚の当事者は、心理的に不安定な状況にあることが普通です。
さらに、ネットや本で離婚の情報を調べたり、人からあれこれ入れ知恵を受ける内に、一度約束したことを白紙に戻すのは珍しいことではありません。
このような事態を避けるためには、離婚公正証書の内容が決まった段階で、出来るだけ早く夫から所定の書式に則った委任状をもらうことです。
委任状をもらえば、後はいつでも公証役場に行くことが出来ます。
また、一旦委任状にハンコを押してしまえば、「もう引き返すことは出来ないな・・・」という気持ちになり、後から「やっぱり止めた」とは言い出しにくくなります。
方法そのC 「離婚調停になれば同じこと」と説得する
夫が離婚公正証書の作成に応じない場合は、離婚条件の話し合いという名目で、離婚調停を申し立てる方法もあります。
離婚調停で離婚がまとまった場合、家裁の方で「調停調書」を作成してもらえます。
この調停調書は、離婚公正証書と同等以上の効力があります。
夫が離婚公正証書の作成を拒んでも、離婚調停になれば、同等以上の効力がある調停調書が作成されることになります。
「どちらにしろ同じことになるのだから、離婚公正証書を作成した方が時間も手間も省ける」といった具合に説得してみましょう。
方法そのD 最後の最後は泣き落とし!
上記の4つの方法を試しても夫が承諾しない場合、最後の手段は泣き落としです。
妻からの説得に応じたり、正論でねじ伏せられるのを嫌がる夫でも、妻の泣き落としには意外と弱かったりします。
実際、私が扱った事例でも、「やはり離婚公正証書は作りたくない」とゴネ出した夫を、最後は妻が泣き落としで作成を了承してもらったケースが複数ありました。
ウソ泣きでも構いませんので、女優になったつもりで泣き落としを試みてください。
サイト運営者
花田好久(はなだよしひさ)。行政書士。1975年2月生まれ。既婚。福岡県出身。東京都八王子市在住。
離婚・不倫問題専門の行政書士として、開業以来100件以上の離婚公正証書作成に関わる。